ユア・アクティブ・ストーリー ~血友病患者さんのインタビュー~

vol.2 M.K.さん(46歳:重症)

M.K.さんは両肘、両膝、両足首に関節症を持ち、人工関節も入れながら、長距離トラックの運転手という体力の必要な仕事をこなしています。旅行が趣味なので、全国各地に行けるのが楽しみというM.K.さん。沖縄以外の都道府県には全て行ったことがあるそうです。そんなM.K.さんに、血友病との付き合い方を伺いました。

監修荻窪病院 血液科 カウンセラー 小島 賢一 先生

M.K.さんの体験から

体調管理でハードな仕事をこなす

車の運転が好きで、トラックの長距離運転の仕事を選んだというM.K.さん。朝、都内の職場に出て近距離の配送をした後、夜、何時間もかけ全国各地へ長距離の配送に向かいます。「受け渡し後、新幹線などで戻ってくる時に、朝からお酒を飲めるのが楽しみです。全国の地酒も美味しいですよ。」とのこと。昔は仕事ということでつい無理をしてしまい、遠方で痛みに動けなくなって病院に駆け込んだこともあるそうですが、「今は定期補充療法で週2回くらいは注射を打ち、あと必ず製剤を持ち歩くように注意しています。無理は必ず自分に返ってきますから。」と、自己管理しながら仕事に取り組んでいる毎日です。

治療の変化に伴ってできる事も増えた

「小さいころは自己注射ができず、中学生の時に自己注射が認可されてすぐに始めました。」というM.K.さん。海に近い茅ケ崎で育ったこともあり、高校ではサーフィンやスキューバも楽しむようになるなど、自分でコントロールできるようになってから活動範囲が広がったといいます。今では定期補充療法を行いながら、11年前に結婚された奥さんと一緒に色々なところに旅行に出かけています。

「海外にも2年に1回くらいは行きます。英文の診断書は持っていくようにしています。1週間ほどの旅行ですが、トラブルになったことは一度もないです。」

血友病の情報を集めて納得できる医療に

荻窪病院に通うようになってから、血友病について最先端の情報が入ってくるようになり、とても有難いといいます。「専門施設にかかることのメリットはとても大きいです。地方の人に会うと、全然情報が届いていなかったり、自己注射もしていない、新しい治療法のことを知らないなど、ギャップを感じることがあります。どうすれば改善していくのか…。まずは患者一人ひとりが、自分で積極的に情報を取りに行かないといけないですね。」というM.K.さん。
病院の患者会では、若い患者さんに結婚や関節症の治療など、自分の体験をお話されているそうです。「自分の為ですから、しっかり情報を集めて納得できる医療を受けて欲しいと思います。」

M.K.さんの奥様より

血友病について、はじめはなんとなくしか聞いたこともなかったので、病院で本を借りて調べたりして勉強しました。結婚するときも、親は心配しましたが、生死に関わる病気ではないことなどを何度も時間をかけて話をして理解してもらいました。今でも、突然の出血はやはり大変そうですが、普段はほとんど意識せずに暮らしています。

小島先生より

M.K.さんの話から、ポジティブさが大切ということを強く感じました。気持ちだけでなく、病気との付き合い方を自分で工夫していくポジティブさ、自ら最新の情報を求めていくポジティブさも大切。最近ではセカンドオピニオンを求めることも盛んになってきました。地元で薬だけもらっているようでしたら、血友病の専門医がいる施設もぜひ一度、訪れてみてください。必ず発見があると思います。