ライフステージロードマップ ~出血のないヘモフィリアライフを目指して~

血友病患者さんの人生の節目ごとにおける、暮らしの変化や出血事象の注意点などを紹介しています。
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監修荻窪病院 血液凝固科 部長 鈴木 隆史 先生
荻窪病院 血液凝固科 カウンセラー 小島 賢一 先生

ライフステージロードマップ(小冊子版)

PDF (A5サイズ計8ページ/1.6MB)

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乳・幼児期(幼児/保育園/幼稚園)

個人差はありますが、身体の発育が盛んで、感覚機能などが発達し、好奇心が強い時期です。
また、保護者は、事故防止や応急処置の知識を身につけることも大切です。

歩行するまでの出血

転倒や尻もちによる内出血は?

急にすわって遊びだす。手足をさわるといやがる。急に激しく泣き出す。あやしたり、ミルクを与えても泣き止まない、手足を動かすのを嫌がるのは、筋肉や関節内の出血が疑われます。
皮下出血のあざが大きくならなければ、そして腫れたところがなければ、経過をみてください。

幼稚園・保育園での活動

保育士への連絡事項と確認は?

歩行や動作に変化があれば本人に痛みを確認し、症状に違和感を訴える場合は、保護者へ連絡するように保育士に伝えておきましょう。また、腫れや熱感がある時は該当部位を冷却し、安静にしても改善がみられない場合は早めに凝固因子製剤を補充してください。

打撲やねんざ

小さな子の出血部位と症状は?

関節内出血はひざ、足首、ひじに多く、筋肉内出血はふくらはぎ、股関節、腕などさまざまです。出血の時は凝固因子製剤を投与しましょう。
また、皮下出血は圧迫すると痛みます。
こちらも症状が重い場合は速やかに凝固因子製剤を補充しましょう。

鼻 血

みた目でわかる止血の対処は?

鼻血の場合は鼻の入り口の内側が多く、ワセリンをぬった綿球やガーゼを鼻がふくらむまで入れ、圧迫して止血します。
もし、止血が困難な場合は、速やかに凝固因子製剤を補充しましょう。
また、家庭注射ができないようであれば、主治医に相談してください。

学生期(小学校/中学校/高校)

体力や運動能力が向上し、食生活、運動、遊びなどを通して、心と身体の基礎がつくられ、思春期では、より心身が成長する時期です。家庭や地域で、子どもの行動に気を配ることも重要です。

身体活動量の増加

出血への不安は?

学校に通うようになると、行動範囲が広がります。凝固因子製剤の補充によって、出血をしっかりと予防しましょう。また、適度な運動は筋力および骨の増強のほか、皮膚や血管組織も強靭になりますが、出血する場合は、投与量や投与回数などを医師と相談してください。

体育の授業やサークル、運動部での活動

運動強度に応じた凝固因子製剤の補充は?

成長期になって体重や活動量が増えると、凝固因子製剤の補充をしていたとしても身体への負担が大きくなります。運動の強度によって、予備的補充療法の追加を検討しましょう。

学校行事

遠足/修学旅行/運動会/体育祭などの活動は?

行事当日の朝には予備的補充療法を行うとよいでしょう。また、修学旅行などでは、移動先でフォローしてもらえる医療機関を事前に確認しておくと安心です。
いずれにしても学校の先生と相談して安全に過ごせるようにしてください。

体重の負荷

無理な負担をかけていない?

正座や通学の移動で無理な姿勢を続けていると、足首や膝の関節に負担がかかり、出血の原因になることもあります。
かかとの柔らかい靴を履く、中じきを入れるなど、自分の弱い部位を把握し、我慢せずに状況に応じた行動をとることが大切です。

青年~壮年期(大学/社会人)

健康的な生活習慣を自分で管理し、確立できるようになり、ライフスタイルが大きく変化する時期です。
大人として自らの責任で行動することが求められます。

健康のためのスポーツ

スポーツの種類は?

運動は習慣化することが大切ですが、格闘技のような激しいスポーツは推奨できません。激しいスポーツを行う場合は定期補充に加えて、活動前に十分な凝固因子製剤の予備的補充療法を行いましょう。
(必要な投与量については医師と相談しておきましょう。)

生活習慣病などの合併症

運動・食事療法は?

血友病患者さんも40歳を超えると高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病などの割合が増加しています。
生活習慣病は脳血管・心血管疾患へ進展するリスクも高いため、若い頃から正しい食生活、散歩などの軽い運動を心掛けましょう。

中高年期(中年~初老・高齢期)

次第に身体の機能が低下し、健康に対する意識が高まる時期です。また、高齢期を迎えると
身体的・精神的能力の個人差が大きくなるため、適度な運動を心掛けることも大切です。

入れ歯

歯周病予防のために口腔内ケアは?

歯のケアはとても大切です。歯科医療の際、健康な人とほとんど変わらない処置はできます。ただし、抜歯などでは出血が多くなるおそれもありますので、あらかじめ、血友病専門医とよく連絡を取り合っておきましょう。

老後の生活

通院や自己注射、介護などの不安は?

老後の不安は多岐にわたります。転倒予防のために運動やリハビリテーションも必要になります。また自分や親の介護を考えて早めにケアマネージャーと相談したり、病院のソーシャルワーカーと相談することも大切です。介護・介助が必要な高齢者や障害のある方は訪問看護ステーションの利用を検討しましょう。