どんな病気かを知ろう
監修
三重大学医学部附属病院 輸血・細胞治療部
副部長・講師 松本 剛史 先生
血友病は、
血がなかなか止まらない病気
血友病は、出血したときに血を固めるために働く「血液凝固因子」というタンパク質の機能が、生まれつき低下・欠乏している病気です。このため、いちど出血をすると止血までに時間がかかります。
血友病は、血液凝固因子のうちの「第Ⅷ因子」の機能が低下、欠乏している血友病Aと、「第Ⅸ因子」の機能が低下、欠乏している血友病Bに分けられます。
■出血したときに血が止まるしくみ
血友病の患者さんは男性に多い
2023年5月31日時点でのわが国の血友病Aの患者さんの数は、5,869人(男性5,754人、女性115人)、血友病Bの患者さんの数は
1,318人(男性1,275人、女性43人)と報告されています。
このように、血友病は男性に多い病気ですが、まれに女性でも発症することがあります。
■わが国の血友病Aと血友病Bの
患者さんの数
- 『厚生労働省委託事業血液凝固異常症全国調査
令和5年度報告書』
血友病の重症度は
血液凝固因子の働きの程度によって決まる
血友病の重症度は、からだのなかの血液凝固因子の働き(凝固因子レベル)がどの程度かによって下の3つに分けられます。
血液凝固因子レベルは、血友病でない人の血液凝固因子の働きを100%とした場合の値としてあらわされます。
■血友病の重症度
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インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン
作成委員会:血栓止血誌24(6):619,2013より作表