出血時補充療法

監修 
荻窪病院 血液凝固科 長尾 梓 先生
荻窪病院 血液凝固科 臨床心理士 小島 賢一 先生

出血時に1回~数回、血液凝固因子製剤を補充

出血が起きたときに、できるだけ早く、1回~数回、血液凝固因子製剤を補充(注射)する治療法を「出血時補充療法」といいます。
補充する量は下の計算式で求めますが、出血した部位や出血の程度によって目標とする血液凝固因子レベルが異なるため、注射の量や期間は異なります。

出血時補充療法で注射する量の計算式

血友病A 血液凝固第Ⅷ因子の必要量(単位)
=体重(kg)× 目標とする血液凝固因子レベル(%)× 0.5
血友病B 血液凝固第Ⅸ因子の必要量(単位)
=体重(kg)× 目標とする血液凝固因子レベル(%)× 0.75~1
  • 西田恭治:“Ⅲ.治療 2.血友病の止血治療 1)補充療法 (1) 血友病A および (2) 血友病B” 
  • みんなに役立つ血友病の基礎と臨床 白幡聡ほか編 改訂3版 医薬ジャーナル社:158, 160-161, 175, 2016

出血したら基本的なケアRICE(ライス)を実施

出血したときの対応として、RICE(ライス)が推奨されています。
出血した部位を安静にして、冷却、圧迫、挙上することで、症状を軽くし、再出血を防ぐことができます。

  • 岡敏明:“Ⅲ.治療 2.血友病の止血治療 3)補助的治療” みんなに役立つ血友病の基礎と臨床
  • 白幡聡ほか編 改訂3版 医薬ジャーナル社:204, 2016
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2024年11月作成 BNF46O004A