血友病の医療費助成制度

監修 
のらねこハウスよろず相談室 代表
藤平 輝明 先生

医療費助成制度を利用すれば
血友病に関する医療費の
自己負担額は0円(2024年9月19日時点)

血友病の治療は、一生涯にわたって続き、1回の医療費も高額です。そのため、患者さんが経済的不安を抱かずに安心して治療を受けることができるように、国や自治体によって医療費助成制度が定められています。これにより、血友病の患者さんは、医療費を自己負担することなく、安心して十分な治療を受けることができます。
医療費助成制度は自治体によって異なりますので、詳しくは各自治体にお問い合わせください。

血友病の医療費助成制度のしくみ

血友病の医療費助成制度のしくみ 血友病の医療費助成制度のしくみ
※上の図の①~④をクリックすると、それぞれの詳しい説明がご覧いただけます。
  • みんなで考える⾎友病診療ネット「医療費助成制度」
    (https://hemophilia-next.jp/about/subsidy/ 2024/5/8参照)より作成
血友病の患者さんの
医療費の全額助成には、下記が必要
血友病の患者さんの医療費の全額助成には、下記が必要

公的医療保険

日本の全国民は、公的医療保険への加入が義務付けられており、これにより、医療機関で払う医療費の負担の原則は3割になります。職業や雇用形式、年齢などによって加入する公的医療保険の種類が異なります。

公的医療保険の種類と対象者
血友病の患者さんの医療費の全額助成には、下記が必要
  • ※1 現役並みの所得がある場合は3割、現役並みではないが一定所得がある場合は2割
  • ※2 現役並みの所得がある場合は3割
  • ※3 自治体により負担が異なる
  • ※4 被用者とは雇われている労働者を指す
  • 日本医師会:日本の医療保険制度の仕組み
    https://www.med.or.jp/people/info/kaifo/system/ 2024/6/19参照より作成

特定疾病療養費制度(特定疾病療養受療証)

治療期間が長く、ほとんど一生にわたって高額な治療の継続が必要な特定の疾患では、高額療養費の支給の特例として、1ヵ月の医療費の自己負担限度額が1万円になります。

  • ※医療機関や薬局の窓口での支払い額が、1ヵ月(毎月1日から月末日まで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度
申請について  
窓口:加入している公的医療保険の窓口
申請窓口に必要書類を提出します。
交付された「特定疾病療養受療証」を医療機関の窓口に提示することで医療費助成が受けられます。
医療保険が変わった場合は、新たに申請手続きが必要です。
住所、氏名などに変更があった場合は、変更の手続きが必要です。
  • 厚生労働省:高額療養費制度について
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000xgrs-att/2r9852000000xgxw.pdf 2024/6/19参照
  • 厚生労働省:高額療養費制度を利用される皆さまへ
    https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf 2024/6/19参照
  • 厚生労働省:健康保険法施行規則等の一部を改正する省令の公布について〔健康保険法〕(令和2年9月25日)
    https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc5375&dataType=1&pageNo=1 2024/6/19参照
  • 厚生労働省:高額療養費の自己負担限度額の見直しについて
    https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info02_41.pdf 2024/6/19参照より作成

小児慢性特定疾病医療費助成制度

20歳未満の患者さんが対象(18歳以上での新規申請は不可)の制度です。この制度を利用することで、医療費の自己負担が実質0円になります。

申請について  
窓口:保護者の住所地の保健所など
申請窓口に必要書類を提出します。
指定を受けた医療機関(薬局、訪問看護ステーション含む)での診療費や薬剤費、訪問看護費が助成の対象になります。
交付された「小児慢性特定疾病医療受給者証」を特定疾病療養受療証と一緒に医療機関の窓口に提示することで医療費助成が受けられます。
加入している医療保険、住所、氏名などに変更があった場合は、変更の手続きが必要です。
継続申請について
受給者証には有効期限があります(原則1年)。継続して利用する場合は期限内に忘れずに手続きを行いましょう。
  • ⼩児慢性特定疾病情報センター(http://www.shouman.jp/ 2024/5/8参照)より作成

先天性血液凝固因子障害等治療研究事業

20歳以上の患者さんが対象の制度です。この制度を利用することで、医療費の自己負担が実質0円になります。

申請について  
窓口:本人の住所地の保健所など
申請窓口に必要書類を提出します。
交付された「先天性血液凝固因子障害等医療受給者証」を特定疾病療養受療証と一緒に、決められた医療機関の窓口に提示することで医療費助成が受けられます。
医療機関の変更や追加があった場合は、新たに手続きが必要です。
加入している医療保険、住所、氏名などに変更があった場合は、変更の手続きが必要です。
継続申請について
受給者証には有効期限があります(最長1年)。継続して利用する場合は期限内に忘れずに手続きを行いましょう。
  • 厚生労働省:先天性血液凝固因子障害等治療研究事業の実施について
    https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3840&dataType=1&pageNo=1 2024/6/19参照
  • 厚生労働省:先天性血液凝固因子障害等治療研究事業について
    https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3860&dataType=1&pageNo=1 2024/6/19参照より作成
2024年9月作成 BNF46O003A