定期補充療法(定期投与)
                  監修 
荻窪病院 血液凝固科 長尾 梓 先生
荻窪病院 血液凝固科 臨床心理士 小島 賢一
                  先生
                
出血を防ぐために定期的に薬剤を注射
                  出血を防ぐために製剤を定期的に注射する治療法があり、血液凝固因子製剤を注射する場合を「定期補充療法」、ノンファクター製剤を注射する場合を「定期投与」といいます。
                  注射する頻度や回数は、血友病の重症度や注射する製剤の種類、活動量の程度などによって異なりますが、定期的に薬剤を注射することで、血液凝固因子レベルを目標値以上に保つことができます。
                


                  ※重症度や注射する製剤の種類、活動量の程度などによって変わる
                  →治療薬や治療法の種類について
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                    日本血栓止血学会:インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン(2013年改訂版)
【利益相反】著者のうち2名はファイザー株式会社から研究費を受け、1名はファイザー株式会社からの受託研究費・寄付金を受けた。
WFH共同意思決定ツール:凝固因子補充療法ファクトシート(https://sdm.wfh.org/ja/welcome-ja/ 2024/8/25参照)より作成 
「出血を減らす」だけじゃない 定期補充療法(定期投与)のメリット
                  定期補充療法によって出血が減り、血友病性関節症が予防できると、アクティブに活動することができるようになり、精神的な負担も軽減されます。
                  ただし、定期的な注射が負担になり、続けることが難しくなるケースもあります。できるだけ注射の負担を減らせるような薬剤について、主治医の先生に相談してみてもよいでしょう。
                
■定期補充療法(定期投与)の主なメリット
- ● 出血を減らし、血友病性関節症を予防する
 - ● 頭蓋内出血などの重症の出血を起こりにくくする
 - ● 入院や欠席・欠勤の回数が減る
 - ● 自活・自立する力が備わる
 
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                    長江千愛:“5 治療 定期補充療法” はじめてでも安心 血友病の診療マニュアル 宮川義隆ほか編 初版 医薬ジャーナル社:81,
                    2017
より作成